治療後の安定性と後戻り
1.後戻り
2.後戻り様変化
1.後戻り
”もとの歯並びに戻ってしまうことはないの?”という疑問をお持ちの方も多いことでしょう。”
これは、”後戻り”と云われるものです。もとの歯並びと同じようになることは極めて稀です。
しかし、残念ながら、程度の差はあるものの、矯正治療後の歯並びは少しずつ変化します。
一方、矯正治療をしていない人の歯並びも変化します。
例えば、虫歯や歯周病などを適切な治療をせずにそのままにしておくと、問題の歯だけでなく、
隣の歯や、噛み合わせの相手(上顎に対する下顎)の歯が動いてきて、
歯並びが徐々に変化してきます。
また、すべての歯は、口の中に萌えてきた後は、食物を噛むことで、噛み合わせの相手
(上顎に対する下顎)の歯と長年に亘って擦りあっているうちに歯の高さが低くなってきます。
さらに、歳を重ねていくと、噛むときに使う頬の筋肉も衰えていきます。
このような、避けようのない加齢的な変化によっても歯並びは変化してしまいます。
次に、矯正治療後の歯並びに起きる変化ですが、これが”後戻り”ということになります。
この原因をいくつかを挙げると、
個々の歯についている歯周組織の線維によって、歯がもとの場所に引き戻されるということが
あります。また、口唇、舌、頬などの歯列を取り巻いている周囲組織(軟組織)から加えられる
諸々の(圧)力が治療後の歯並びとうまく折り合ってくれない場合があります。
しかも、このような軟組織の問題はコントロールするのが非常に難しいのが現状です。
したがって、
”後戻り”を、出来るだけ少なくするためには、
1.適切な治療を受けること、
2.そして治療によって獲得した咬合を安定化させる保定という措置を必ず行うこと、
3.さらに保定期間を長くすること、が大切です。

保定装置(Lingual bonded retainer)を装着中;細いワイヤーを歯に直接、接着しています
当院では、保定装置を装着した後は、少なくとも5年程度は(実際には、10年を越えている
方々が多いのですが)、年に2回くらいのペースで保定観察を続けています。
2.後戻り様変化
さらに、これは、なかなか理解されていないことですが、
子供の頃に矯正治療をしたからと言っても、噛み合わせや歯並びがそれ以後もずっと
維持されるものではありません。
これらの変化は、”後戻り様変化(後戻りのように見える変化)”として”後戻り”とは
区別して考えるべきものです。
それは、”歯の生え変わり”の問題と”顎骨の成長”の問題があるためです。
まず、”歯の生え変わり”に関して云えば、乳歯が永久歯に生え変わること、
さらに6歳臼歯(第一大臼歯)、12歳臼歯(第二大臼歯)や親知らず(第三大臼歯)
が生えてくることに伴って噛み合わせが変化することがあるからです。
次に、”顎骨の成長”は16〜18歳、時にはそれ以降まで続き、顔の骨格(=”顔つき”)
そのものが変化してしまうことがあるからです。
ですから、少なくとも第二大臼歯がすべて生え揃って、しかも顎骨の成長が終了した
時点で、噛み合わせや歯並びの再評価が必要です。
治療後の安定性や後戻りに関する研究発表
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