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腋臭症(わきが)

2008.06.15手術情報

腋臭症(えきしゅうしょう)(わきが)とは

汗を分泌する腺にはアポクリン腺(においを出します)とエクリン腺(水だけを出します)があります。アポクリン腺により分泌された汗が細菌に分解されると、独特のにおいが生じます。においの程度がひどいものを、腋臭症(わきが)といいます。衣類が黄ばんだり、耳あかが湿っている人が多いです。
わきの皮膚の断面図

剪(せん)除(じょ)法(大きく切る方法)

わきの皮膚を3~5cm程度切開し、毛の生えている範囲の皮膚をはがします。直接アポクリン腺が見えるため、剪刀(はさみ)でこれを除去します。
手術後は出血や皮膚のずれを防ぐために、1週間ほど腕をあげず安静にする必要があります。この間は着替えなどの日常生活が困難なため、入院が必要です。
毛根にもダメージが加わるため、腋毛が薄くなります。また、手術の傷あとが目立つことが多いです。
剪除法

超音波吸引法

わきの皮膚を1~2cm程度1~2箇所切開します。ここから専用の機械を挿入し、アポクリン腺を破壊しながら吸引します。
手術後は腕をあまり動かさないようにする必要がありますが、剪除法と比べて出血も少なく皮膚のダメージも少ないため、外来通院での治療が可能です。
手術の傷あとは、剪除法よりは目立ちにくいですが、傷跡は残ります。
剪除法、超音波吸引法とも、異常なにおいを減らす治療であり、においがなくなるわけではありません。また、汗の量が減るかどうかは個人差があります。
超音波吸引法
手術費用
剪除法 保険適用
超音波吸引法 両側 209,000円
片側 126,500円
合併症
感染、出血、血腫、皮膚壊死などです。
予後(経過)
  • 手術後7日間は包帯固定が必要です。場合によっては早めに包帯が取れる場合もあります。
  • 手術後2週間は重いものを持つことや、腕を上に挙げる動作はしないで下さい。(布団の上げ下ろしや洗濯を干す動作はしないで下さい。)
  • 抜糸は1週間程度で行います。
  • 術後指定した日に受診が必要です。その後は2~3日置きに通院が必要です。(日曜・祝日の場合はずれることがあります。)
  • 汗や臭いが全くなくなるわけではありません。
  • 手術の創跡は残ります。
  • 創部の色素沈着や、しこりが数ヶ月続きます。
  • 手術後は腋毛がうすくなることがあります。

ボトックス注射

ボトックス(ボツリヌストキシン)を腋(わき)に注射すると神経筋伝達が阻害されて、においや汗の量が減ります。注射をして2週間くらいして効果が定着します。効果は永続的ではなく、約半年で効果がなくなります。