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臍(へそ)の形成術

2008.03.20手術情報

A. 臍ヘルニア(でべそ)の治療

  • 日本人における小児の臍ヘルニア発生頻度は約4%とされています。
  • 1歳までに約8割、2歳までに約9割が自然閉鎖するといわれています。
治療法
1歳前後までは圧迫療法を行います。2歳以降もヘルニアの残存する場合、また、ヘルニアが閉鎖しても臍の変形が高度な場合は手術を行います。
治療は入院、全身麻酔で行います。入院期間は約1週間です。
代表的な手術法の一つとして、V-Y皮弁法があります。V字の切開をY字に縫合することによる皮膚の延長効果を利用して、皮膚のポケットを作ります。臍の皺に似せた補助切開を数本加えます。
臍ヘルニア(でべそ)の治療法
(斜めから臍形成を見たイメージです)
臍ヘルニアの場合、腹筋が離れ、その隙間からヘルニア嚢が出ます。ヘルニアの手術では腹壁も同時に正常な位置に再建します。
臍ヘルニア(でべそ)の治療法
(手術の断面のイメージです)
術後暫くはガーゼやスポンジなどを詰めて元に戻らないように固定します。
  • ※臍は正常の場合でも、成長に従って変形し、腹筋・皮下脂肪の発達によって深さも増してゆきます。手術の内容はその後の成長を考慮し、最適の方法を選択することが重要です。
合併症
出血、血腫、感染、臍の変形、皮膚壊死などです。
予後(経過)
10日~14日後に抜糸をします。

B. 臍欠損の治療

やけどや腹部の手術等によって臍がなくなることがあります。まれに妊娠後にも起こります。
治療法
これらの場合、自然治癒はほとんど期待できませんので、手術で臍を作ることになります。
治療は入院、全身麻酔で行います。程度によっては他部位より全層植皮が必要です。
手術方法は臍ヘルニアに準じますが、周囲の瘢痕や余っている皮膚の量、腹壁の組織(筋肉・脂肪)の状態等を判断し、最適な方法を行います。
気になる方は、気軽にご相談下さい。
合併症
出血、血腫、感染、臍の変形、皮膚壊死などです。
予後(経過)
10日~14日後に抜糸をします。