口唇口蓋裂
他の咬合異常と同様に、口唇口蓋裂でも個々の患者さんによって必要とされる治療は異なります。
矯正治療の大きな目的は、咀嚼ならびに発音障害を改善することです。
一般に、まず、生後3か月頃に、形成外科あるいは口腔外科で口唇裂の手術を行ないます。
次に、1歳半頃になると、口蓋裂の手術を行ないます。
乳歯が生えて来ると、前歯から奥の方にかけて、上の歯が下の歯より内側に位置している
ことがことあります。このような噛み合わせは、反対咬合と云われるものですが、
あまり小さい年齢では、矯正治療を行なうのは難しいと思われます。
その後、小学校入学の頃に上下の前歯が永久歯に生えかわりますので、治療を開始します。
この時期の矯正治療の目的は、顎裂部への骨移植に備えて、
狭窄した上顎歯列弓を前方や側方に拡大することにあります。
混合歯列期に骨移植を行なった後は、
永久歯にすべて生えかわって、一番奥の12歳臼歯までが生え揃うのと、
顎骨の成長の見極めをするために経過を観察します。
一番奥の12歳臼歯までが生え揃い、上下顎骨の成長の見極めがついてから、
上下の顎骨の位置や大きさのズレが大きくない場合には、通常の矯正治療を行ないます。
上下の顎骨の位置や大きさのズレが大きい場合には、外科的矯正治療を行う必要があります。
手術は、口の内側から行いますので、顔に傷が残ることはありません。
また、この治療では、噛み合わせのほか顔貌も大きく改善されます。
矯正治療がすべて終了して成人に達した頃になると、
欠損(歯が無い)部に最終的な補綴処置(さし歯などの治療)をします。
最終的に、これらの治療が完了した頃に、形成外科で鼻や口唇の修正術を行ないます。
(思春期に修正術を行なうこともあります。)
口唇口蓋裂の外科的矯正治療例
口唇口蓋裂を含む「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常の患者さんの矯正治療は、
歯科矯正診断料の施設基準適合の医療機関では保険が適用されます。
*当院も歯科矯正診断料の施設基準適合の医療機関です。
当院では、これまでも小児期や成人の口唇口蓋裂の患者さんだけでなく、
第一第二鰓弓症候群、尖頭合指症(Apert症候群)の患者さんも形成外科と連携して治療を行っています。
なお、矯正治療を保険で行う場合には、保険診療で許されている器具・材料や
治療法を使用しなければなりません。
それ以外の器具・材料や治療法を希望される場合は私費診療(自由診療)となります。
また、その場合には、形成外科などで行う顎矯正手術も私費となります。
さらに、自立支援医療(育成・更生医療)の指定医療機関では、申請の後、育成・更生医療の
給付が出来ます。
*当院も自立支援医療(育成・更生医療)の指定医療機関です。
口唇口蓋裂に関する研究発表
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