口唇口蓋裂
矯正治療では、様々な装置を用いて歯を適切な位置へ移動させていきます。
しかし、残念ながら、顎裂部のように骨の無いところへは歯を並べることが出来ないのです。
そこで、現在では、自家腸骨海綿骨細片を顎裂部に移植しています。
もう少し、詳しく説明いたしますと、自分の腸骨(足の付け根より上の腰骨の出っ張った骨)の
中の海綿骨(骨の中の比較的軟らかい骨)を細かく砕いたものを、顎裂部の粘膜を剥がして、
骨の欠損しているところへしっかりと詰め込みます。
このような治療は、小学校入学の頃に上下の前歯が永久歯に生えかわりころから開始します。
この時期の矯正治療の目的は、顎裂部への骨移植に備えて、狭窄した上顎歯列弓
(上顎の歯並び)を前方や側方に拡大することにあります。
顎裂部があまりに狭いと、その部分の粘膜が複雑に入り組んでいて、骨移植の手術の際に、
粘膜を剥離することが困難になるからです。けれども、大きく拡大し過ぎても予後が良くないと
されています。
顎裂部骨移植を行う前に注意しなければならないことは、
顎裂部に接して生えている歯がむし歯でないこと、或いはむし歯の治療を済ませておくことです。
むし歯を放置したままで骨移植を行うと、移植骨が生着しない(うまく着かない)ことがあります。
混合歯列前期(永久歯が生えかわる頃)に行なう主な目的は、
@移植したところに歯が生えてきたり、歯を動かすことが出来るようにすることや、
A裂部に隣在する歯を支える骨を増加させて長期に亘り機能させることにあります。
一方、成長完了期に行なう骨移植の目的は、
@拡大した上顎歯列弓の後戻りの防止と、
A獲得した永久歯咬合の保持にあります。
治療経過ならびに手術術式
治療前
上顎歯列弓の
前方&側方拡大
左:粘膜を剥離
中:腸骨海綿骨細片を
顎裂に充填
右:粘膜を縫合
骨移植3週後
骨移植前後のX線所見
骨移植前 骨移植3か月後
混合歯列期に骨移植を行なった後は、
永久歯にすべて生えかわり、一番奥の12歳臼歯までが生え揃うのと、
顎骨の成長の見極めをするために経過を観察します。
口唇口蓋裂に関する研究発表
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